英単語や文法の知識を増やしたりCDを聞いたりするインプットではなく、英語を話したり書いたりする、情報発信型のアウトプット・トレーニングをしない限り、英語は話せるようになりません。初心者の段階で「英語脳」を開発する基礎トレーニングを行えば、バイリンガルへの道が開かれます。

英語初心者用のENGLISHBOXで行っている主なトレーニングは次のとおりです

  1. 英語の語順で瞬間的に英文を作るトレーニング
  2. 「基本動詞」と「基本前置詞」をイメージで使いこなすトレーニング
  3. 質問をどんどん作るトレーニング
  4. 英語を話し続けるトレーニング
  5. 英語のリズムで英語の文章を音読しながら内容を英語のまま理解するトレーニング
  6. 英語でストーリーを作るトレーニング
  7. 中学英語の構文・文法を使いこなすトレーニング

※この他に、どこでもできる5分間トレーニングを行っています。

それでは、ここから更に詳細なトレーニングの説明をお伝えしていきたいと思います。

1.英語の語順で瞬間的に英文を作るトレーニング

英語がスムーズに話せない原因の一つは、日本語から英語が訳しているからです。英語の語順で英文を作るトレーニングを行うことが大事です。

英語の語順

誰が、どうする何を、どこで、いつ

英語はこのように、人の行動を描写した後に場所や時間に関する情報を追加します。

「誰が」「どうする」「何を」が表現できれば、日常会話の70%がOKとされているからです。それには30の基本動詞を使いこなせるかどうかが英作文の鍵となります。

また情報と情報をつなぐのは20の基本前置詞です。
30の基本動詞と20の基本前置詞を使って、口頭で英文を作る練習をします。

口頭英作文をする際、実際の場面ですぐにでも使えるように工夫します。まず状況(心理)を描写します。次に自分が取るはずの行動を描写します。

【例】

「お腹がすいた」➔「ラーメンをつくろう」
I’m hungry. I’ll make ramen noodles.

「のどが渇いた」➔「ビールを飲もう」
I’m thirsty. I’ll drink beer.

「この部屋は暑すぎる」➔「クーラーを入れよう」
This room is too hot. I’ll turn on the air conditioner.

このようにさまざまな情況をイメージしながら、瞬間的に英文を作って発表する練習を行ないます。短文を作ることに慣れてきたら、相手に質問をしたり、過去形や現在完了形などの時制を使いこなす練習をします。さらに感情表現方法などを取り入れていきます。

自分の年齢に合った単語や例文を使って、中学の教科書に出てくる英語の構文を使いこなすトレーニングを行うだけで十分です。

2.「基本動詞」と「基本前置詞」をイメージで使いこなすトレーニング

英語脳を開発するためには、「文字」、「音」、「イメージ」の3つを組み合わせたトレーニングが必須です。英語は動詞が中心の言語です。動詞は数千種類あります。

しかし頻繁に使われる「基本動詞30」と「基本前置詞20」をイメージで使いこなせれば、日常の基本的な動作表現はできるようになります。また熟語が覚えやすくなります。

基本動詞には大抵3つのイメージがあります。しかし、学校では一つのイメージしか教えていないので使いこなせないのです。

次の例をご覧くさい。

【例】 GET

① 「何かを手に入れる」イメージ
– I got a new bike.(新しい自転車を手に入れた。)
– Did you get a bonus?(ボーナスはもらいましたか?)

※ほとんどの人がGETは「何かを手に入れる」と理解しています。しかしそれでは “get up” がなぜ「起きる」と言う意味になるか理解できないでしょう。
GETには「移動する」イメージもあります。
従って、“get up”は「体を上の方に移動する」イメージを指しているのです。

② 「A地点からB地点へと移動する」イメージ
– I got on the bus at 10:00. (バスに10時に乗った。)

“get on the bus” は、「離れた場所から移動」してバスに「接触」するというイメージを伝えます。「接触」は“on”です。「バスを降りる」は“get off the bus”です。
しかしタクシーの場合、「乗り込む」というイメージの方が強いので、“get into the taxi”となります。「タクシーから降りる」は、「タクシーの外へ出る」動作を指すので、“get out of the taxi”になります。ネイティブはget off the taxiとは絶対に言いません。イメージが全く異なるからです。

③「状態が変化する」イメージ
– I’m hungry.は、「お腹がすいている」状態のイメージを伝えます。しかしI got hungry. は「お腹がすいちゃった」という「状態の変化」を表します。

進行形を使えば、「ある状態に向けて変化しつつある状態」のイメージを伝えることができます。
– I’m getting hungry.  お腹がすいてきた。
– I’m getting sleepy.  だんだん眠くなってきた。
– I’m getting nervous.  だんだん緊張してきた。
– I’m getting relaxed.  だんだんリラックスしてきた。

3.質問をどんどん作るトレーニング

初心者の特徴は、英語で質問がすぐにできないことです。英語で質問ができなければ、話題を変えることもできません。また相手に質問しないと、「あなたには興味がない」というメッセージになります。

質問には、基本的にyes/noで答えられるものと、自由に答えられるものの2種類があります。質問にも幾つかパターンがありますので、パターンさえマスターしてしまえば全くの初心者でも15~20の質問が作れるようになります。

それでは一つのパターンを紹介しましょう。

質問パターン1.スポーツ、趣味、稽古事などの場合

1.やっているか?
Do you play any sports?  (スポーツをやっていますか?)

2.どんな(種類の)?
What kind of sports do you play?  (どんなスポーツをやっていますか?)

3.いつ始めたか?
When did you start it?(いつ始めたのですか?)

4.きっかけは?
How did you become interested in it? (興味を抱くきっかけは?)

5.頻度は?
How often do you play it? (どれくらいの頻度でやっていますか?)
How often do you practice it?(どれくらいの頻度で練習していますか?)

6.どこで?
Where do you usually play/ practice it? (どこでやる/練習するのですか?)

7.だれと?
Who do you play/ practice it with?(どんな人と一緒にやる/練習するのですか?)

8.費用は?
How much does it cost to play it?(費用はどれくらいかかりますか?)
Is it expensive to play it?(費用は高いですか?)

9.魅力は?
Why is it so interesting?(なぜそんなにおもしろいのですか?)

10. 好きな選手は?
Do you have any favorite players?(好きな選手はいますか?)

11. 試合はよく見に行くか?
Do you often go to see games? (試合はよく見に行きますか?)

12. 参加したことは?
Have you ever joined in a competition? (大会に参加したことはありますか?)

13. 所属は?
Do you belong to any clubs? (クラブに所属していますか?)

14. 将来は?
Will you keep playing it? (これからも続けますか)

Yes/Noの質問も混ぜて『music』について質問を作ってみました。
(目の前の外国人に質問しているイメージで作ってあります。)

1. Do you like music?
2. What kind of music do you like?
3. Why do you like it?
4. Do you have any music you don’t like?
5. Why don’t you like that music?
6. When do you listen to music?
7. How often do you listen to music?
8. How do you feel when you’re listening to music?
9. Do you listen to music to relax?
10. What kind of music is popular now in your country?
11. Do you recommend any pieces of music?
12. How do you listen to music?
13. Have you written lyrics for a song?
14. Have you composed music?
15. Do you have a favorite singer?
16. Have you been to his concert?
17. How often do you go to concerts?
18. Do you go to Karaoke?
19. How often do you go there?
20. What songs do you sing there?
21. Can you play any musical instruments?
22. When did you start it?
23. Why did you start it?
24. How many CDs do you have?
25. How often do you buy CDs?
26. Do you also rent CDs?
27. How often do you rent CDs?
28. What is music for you?

いかがですか?このように、ちょっとした発想の工夫で質問はたくさんできます。

4.英語を話し続けるトレーニング

連続して質問ができるようになったら、相手の質問を予測してそれに答える形で連続して話し続けることが可能になります。また自分で話題を変えることもできますから、コツさえつかんでしまえば、2~3分間連続して話し続けることができるようになります。

ここではENGLISHBOXのトレーニングの一部を紹介しました。

英会話の勉強を始める人の多くが、会話のテキストに登場する「会話表現」を丸暗記したり、会話文をCDで聞き流したりしています。しかしそれではなかなか英語は話せるようになりません。「文字」「音」「イメージ」を組み合わせた“英語脳”を開発するトレーニングを行なうと、通常の3倍のスピードで英語が話せるようになります。

ネイティブの発音を目指す必要はありません。
クセがなく、聞きやすい発音であればそれで十分です。

外国人の吹き込んだCDを何度も聴いてマネをすれば、発音と英語のリズム、間合いを把握できるようになります。CDの後について「シャドーイング」トレーニングを行うと、英語のスニング力を飛躍的に伸ばすことも可能です。