「子供をバイリンガルに育てたいのですが…すぐに英語のレッスンを始めた方がよいですか?」

若いお母さんから電話で、よくこんな相談を受けることがあります。お子さんの年齢を聞くと、「3歳です」と返ってきます。

こうしたお母さんは「言語をスムーズに習得できるのは一定の年齢(臨界期)まで」と考え、臨界期仮説を信じているか、幼児英会話学校などの宣伝文句を信じてしまっています。自分は英語が話せないけれど、子供にはバイリンガルになって欲しいと願っているのです。

※臨界期とは、ある年齢を超えると言語の習得が不可能と言われている時期のこと。

ENGLISHBOXにも、3歳の頃から英語を習い始めたという中学生が時々入会します。英語の発音は確かにきれいです。日常会話で頻繁に使われる挨拶などのフレーズは、口からスムーズに出てきます。親御さんに確認すると、英会話のレッスンは既に10年も通わせているのだそうです。親としては“あと一歩で英語がペラペラ話せるに違いない”という期待、時には妄想をしています。

しかし英語力がそれ以上伸びるかどうかは、本人次第です。日常会話はある程度できても、国語力や知識が不足しているがために、抽象的な概念が理解できない生徒は、英検2級以上の英語力を身につけるのはなかなか困難です。

また中学校に入学するとき、自分の英語力に自信過剰になり、その後の英語学習を怠ってしまう傾向にあります。

中学を卒業する頃までに、クラスメートに抜かれてしまうといった事例も多く見られます。

もちろん、そのまま英語のトレーニングに励んで、高校1年で英検準1級、2・3年で英検1級に合格する生徒もいます。このような生徒は将来の目標が明確で、しかも学習習慣を身につけています。

世間の常識にとらわれすぎて、気付かない内に自らお子さんの「英語嫌い」を促進させていませんか?お子さんが本当に英語力を身につける為に必要なステップを、是非ご自身で確認してみることをオススメします。